若い患者と若い医療者のHard Time〜その1:若い患者のつらさ
40歳未満で発症したある難病の若い患者。その多くは病を隠しながら生きている。病を知られることで解雇されることもあるからだ。若い患者は高齢者の患者とは異なり、働き、稼いで、社会の中で生きていかねばならない。既婚の男性であれば家族を養っていかねばならない。そこで病を理由に解雇されてしまっては、世帯主としての存在感は喪失感へと転換してしまう。女性においても同じく、世帯主である方もいるだろうし、結婚・出産を考えている方にとっては大きな問題だ。社会の理解も必要なことだが、同時に、医療機関や福祉施設、そういった患者をサポートするセルフヘルプグループなどの患者会の理解はもっと身近で重要だ。医療機関・福祉施設においては命の危機の度合いや自立度に応じて手厚い医療・看護・介護サービスが施されることとなる。そのため、安定期で自立度が高いと判断される患者・利用者に対してはケアがどうしても手薄になりがちだ。そんな中において、若い難病を持つ患者は軽症に映りがちで、どうしても配慮が行き届かない現状にある。若い難病の患者・利用者達は思っている「私たちのことを忘れないで」と。そして「病の辛さを分かって欲しい、社会生活に対する悩みを聴いて欲しい、だって唯一聴いてくれるのは私の病を知っているあなた達なのだから」とも。
そして社会生活を営んでいく上で、大きな心の支えともなるのがセルフヘルプグループなどの患者会だ。しかし、若い難病の患者にとってはそのセルフヘルプグループは心の支えとして機能しているとは言い難い。セルフヘルプグループを組織するのは比較的年配者に多く、若い世代とのギャップが生じてしまうことに原因が求められると言われている。病と共に生活していかねばならない患者とそうとは言い切れない患者、障害者福祉と高齢者福祉の違いのようなものだ(medi_wel 通信局:複雑系の福祉政策)。かといって、若い患者だけで独立してセルフヘルプグループを作ることには問題がある。なぜなら、いづれ年をとり、高齢者となっていくのだからだ。既存のセルフヘルプグループの活動を変えていくか、若い世代にはなじみのあるWebを利用した横断的なセルフヘルプグループを作り、心の支えとしていくのが現実的なのかもしれない。
阪神淡路大震災の時、ボランティアで神戸に訪れていた前長野県知事の田中康夫氏は、女性の被災者に化粧品を配布したという。相手が若い患者であろうとなかろうとそういった気づきと配慮が、とりわけ医療・介護の直接サービス者には求められているように感じる。
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